Art is long, Life is Short
Art is long, Life is Short
訳すると「芸術は長く人生は短し」
拙作サイト「インムノトリコ」のTOPに掲げた言葉です。
ギリシア哲学、ヒッポクラテス「箴事集」第一節からの引用になります。
「人生は短く医術の道は長い。機会は失われやすく、経験はあやまち多く、決断は困難である。医師は自己のつとめを果たすだけでなく、患者、看護人、そして環境を協力させる用意がなくてはならない。」
紀元前415年頃に書かれた(または編纂された)「箴事集」は19世紀まで「医師のバイブル」とさえ呼ばれたもので、ヒッポクラテスの72の著作のうち、もっともよく知られた作品です。
この一文が源流となるそうですが、かなり意味が違うもので、ふたとおりの意味にとることができます。
「人生は短く、医学を極めるには時間がかかる」
「医療活動には不確実なことが多いが、ぐずぐずしていれば患者の命に関わる」
恐らく、すぐれた医者の言葉から読み取るならば、後者の意味が正しいのではないかと思います。
いつしか感傷的な格言「芸術家の命ははかないが偉大な芸術は長持ちする」というフレーズに変わり、英語訳を定着させたのは、1839年「人生賛歌」の著者ロングフェローと言われ、次のように記述があります。
「Art is long, and Time is fleeting(芸術は長く時は逃げ去る)」
言葉を変えて言えば、「偉大な人々の生涯は去りてなお残り、我らの人生は知ることができる、時という砂の上に足跡を残していけることを」
ですが、それをサイトTOPに掲げたことに深い意味はなく、厨二的で格好良い英語を探したら、良い格言と出会えたので引用してみた、というだけで、この話がしたいので記事を投下してみた、というだけです。
ギリシア哲学といえば、ソクラテス、プラトン、アリストテレスの御三家が哲学の専売特許で有名ではありますが、少なくともギリシア人はソクラテスの約2世紀前から哲学的思想体系を弄くりまわしていたようで、ソクラテス以前の哲学としてまとめられています。
神学、天文学、物理学、数学、生物学、精神医学などの学問が独自に発展・成長しすぎた極東アジアの人間が、非常に取っ付きにくいこれらの学問の源流を知ろうと躍起になるならば、古代ローマ神話、聖書、シェイクスピア、西洋の3強に関連する本を読めば、おおよそヨーロッパの精神を分かった気になれるでしょう。
偉大な人間が残した足跡は、国家や民族なんてこれっぽっちも気にしないで、すべての人間に共通の財産を与えてくれるのですから。
語り尽くされた学問も、今日からはじめる人間にとっては、心地良い刺激になるかもしれませんが、こういう小難しい話は、自分の作品にはあんまり必要とされないことで、逆に唾棄すべきもの。
教示的で偉そうな話は長ったらしく、気持ち良くもありません。しかも自分、昨日今日と始めたばかりの人間。サイトのほうではあまり出さないようにするつもりです。(淫魔はたぶん、知識のひけらかしをして虚栄心を満たすのでしょうが……)
……ここまで読んでくださりありがとうございました。
今日は失礼します、良い夢を。